【大阪】ドローン測量を導入｜技術・機体・メリットについて

測量作業時間の大幅な短縮と効率化

ドローンを測量に活用する最大のメリットは、作業時間の劇的な短縮です。従来の測量方法では、測量士が現場に赴き、地点ごとにデータを取得する必要がありました。広範囲の測量では数日から数週間を要することも珍しくありません。

一方、ドローン測量では、上空から短時間で広範囲を撮影し、数百から数千枚の写真データを取得できます。撮影したデータは専用のソフトウェアで処理することで、3Dモデルや点群データ、オルソ画像などを生成できます。

コスト削減と経済的メリット

ドローン測量の導入により、人件費や機材コストの削減を実現できます。従来の測量では、複数の測量士や補助員が現場で長時間作業する必要があり、人件費が大きな負担となっていました。ドローンを活用することで、少人数での測量が可能になり、人件費を大幅に抑えられます。

また、測量の頻度を増やすことも容易になります。建設プロジェクトでは、工事の進捗管理のために定期的な測量が必要ですが、従来の方法ではコストの問題から、測量回数が制限されることがありました。ドローンであれば、低コストで頻繁に測量を実施でき、リアルタイムに近い形で現場の状況を把握できます。

安全性の向上とリスク軽減

ドローン測量は、作業員の安全性を大きく向上させます。建設・土木現場には、急斜面や崖地、高所、交通量の多い道路沿いなど、危険な場所が多く存在します。従来の測量では、測量士がこうした危険な場所に立ち入る必要がありましたが、ドローンを使用することで、人が近づくことなく安全にデータを取得できます。

災害発生後の被災地調査においても、ドローンは大きな役割を果たします。地盤が不安定な場所や二次災害のリスクがある現場でも、ドローンであれば安全に状況を把握できます。また、交通規制や立入制限が必要な場面でも、ドローンを活用することで、周辺への影響を最小限に抑えながら測量作業を進められます。

測量に適したドローンの種類と選定ポイント

ドローンは、大きく分けて「マルチコプター型」と「固定翼型」の2種類があります。現在、測量分野で最も広く活用されているのはマルチコプター型で、特に4つのプロペラを持つクアッドコプターが主流です。垂直離着陸が可能で、狭い場所でも運用できるため、都市部の現場でも扱いやすいという特徴があります。

測量用ドローンを選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあります。まず飛行時間です。バッテリー容量によって1回のフライトで撮影できる範囲が決まるため、20分以上の飛行時間を確保できる機体が望ましいでしょう。次に搭載カメラの性能です。高解像度のカメラを搭載した機体であれば、より詳細なデータを取得できます。

必要な技術と資格要件

測量業務においては、ドローンの操縦技術だけでなく、測量に関する専門知識も求められます。「UAV測量技術認定試験」などの民間資格を取得することで、測量用ドローンの運用に必要な知識と技術を体系的に習得できます。

技術面では、写真測量の原理理解が不可欠です。オーバーラップ率（重複率）の設定、GSD（地上画素寸法）の計算、対空標識の配置など、高精度なデータを取得するための知識が必要となります。

データ処理技術も重要なスキルです。写真測量ソフトウェアを使いこなす能力が求められます。これらのソフトウェアで点群データや3Dモデル、オルソ画像を生成し、CADソフトウェアに取り込んで設計や土量計算に活用します。

RTK・PPK技術と高精度測位システム

高精度なドローン測量を実現するために、RTK（リアルタイムキネマティック）とPPK（ポストプロセスキネマティック）という2つの測位技術が活用されています。これらはGNSS（全球測位衛星システム）を用いた補正技術で、通常のGPSの誤差数メートルを、数センチメートル単位まで向上させられます。

導入前の準備と計画立案

ドローン測量の導入を検討する際、まず現状の測量業務を分析し、ドローン活用によってどのような課題を解決できるかを明確にすることが重要です。測量にかかる時間やコスト、安全上のリスク、データ精度などの現状を把握し、ドローン導入による改善効果を具体的に試算します。

次に、導入形態を決定します。自社で機材を購入して運用する「自社運用型」と、専門事業者にサービスを委託する「外部委託型」、そして両者を組み合わせた「ハイブリッド型」があります。初期投資を抑えたい場合や、まず効果を検証したい場合は外部委託から始めるのがおすすめです。

予算計画も重要なステップです。機材購入費用だけでなく、保険料、メンテナンス費用、ソフトウェアライセンス料、人材育成費用なども含めた総合的なコスト計算が必要です。また法令確認も欠かせません。航空法に基づく飛行許可申請が必要なケースや、測量法に基づく要件、個人情報保護に関する配慮など、遵守すべき法令を事前に把握しておく必要があります。

実施から運用開始までのステップ

導入準備が整ったら、具体的な実施計画を立案します。まず現場の事前調査を行い、飛行ルートの設定、離着陸地点の確保、障害物の確認などを実施します。都市部では建物や電線などの障害物が多いため、特に慎重な計画が必要です。

飛行許可申請が必要な場合は、実施予定日の2週間から1ヶ月前には申請を完了させるのが良いでしょう。

撮影当日は、気象条件の確認が重要です。風速5メートル以下、降雨なし、視界良好といった条件を満たす日を選びます。

初回の測量結果を検証し、精度や使い勝手を確認したうえで、本格的な運用を開始します。定期的な測量が必要なプロジェクトでは、事業者と継続契約を結ぶことで、よりスムーズな運用が可能になります。